エメラルド

ファンタジーポエム

響界線

あの頃の君は知っていただろうか

僕らを取り巻く

音の響きわたる

その心地よさを



そよそよ風が吹いて

僕と君は巡り会う



風にのり

君は僕のもとへとたどり着いたね


風にそよぐ木の葉の囁きを

聴きながら自然のなか

二人


特になにもなくても

しあわせを感じていた


木の葉のベッドに横になる


木の葉は意外や意外

なかなかの寝心地


自然と戯れ森の中

君との日々は廻り



しかし

いつか気づく


気づいてしまうんだ


君はこの生活が長くは続かぬ

そのことに


刹那を

風になり僕のところ

舞い降りた


そう君は風の妖精


僕のもと

居心地よく感じていても

君にはきみの使命がある

あったんだね


君との日々は

響きわたる木の葉のさやさや

木の葉のベッド

そして君との

素晴らしい時を


僕という一般市民に

教えてくれた


つかのまの妖精


君との日々は

毎日汚れてゆく

こころのなか

風に一掃されるように

癒されて


僕は君を愛していたんだ


君は僕のこと好きだったかな


二度とは聴けない 風の音

今日も風は吹くだろう


だけどひとつ確かなこと

君は僕のところには帰らない


君の香の風が聴きたい



響界線


響きわたる

かなしいくらいの

愛とともに